【機械遺産】Vol.03
カブ号F型(ホンダ自転車用補助エンジン)
自転車が庶民の主な移動手段であった時代、ホンダが自転車用補助エンジンのカブ号F型を発売したのは1952(昭和27)年のことであった。ピストンバルブ・横断掃気式2ストローク単気筒で、性能は排気量49.9㎤、最高出力は3,600回転/分で1PS(馬力)。後輪アクスルシャフト部に配置し、ドライブチェーンによって後輪を駆動するというものであり、エンジンを扱ったことのない自転車店でも取り付けが容易であった。軽量化と高い生産性を実現するため、時代に先駆けてアルミダイキャスト部品やプレス部品を取り入れたことで、自転車用補助エンジンとして質量は当時最軽量の6kgを達成した。
「白いタンクと赤いエンジン」...