【機械遺産】Vol.10
日本の一眼レフカメラを世界水準へと進展させた
アサヒフレックスⅠ・ⅡB、ミランダT、ズノー、ニコンF
日本カメラ博物館は主要な国産カメラを系統的に収蔵している。その中で1950年代の5機種は、「カメラといえばドイツ」という評価を逆転させた機械式一眼レフカメラである。その理由は、なんといっても利便性と堅牢性である。
まずアサヒフレックスⅠ(1952年・旭光学工業(株)(現リコーイメージング(株)))は、国産初の35mm一眼レフカメラであり、エバーリターンミラー機構を搭載していた。これはシャッターボタンを押すだけでミラー上昇・露出・ミラー復帰という一連の動作を行うクイックリターンミラーの開発につながり、アサヒフレックスⅡB(1954年)に搭載された。
ミランダT(1955年・オリオンカメラ(...