面積約33万km²、人口1億人超のベトナム社会主義共和国は、若く伸び盛りの国。2025年はGDP成長率プラス8%をめざし、力強い発展を続けています。今回は、同国の経済成長に貢献する日立グループのベトナム拠点である日立アジア(ベトナム)社において、空気圧縮機のシニアサービスマネージャーとして活躍する南淳裕の仕事ぶりをご紹介します。
画像: Hitachi Asia (Vietnam) Co., Ltd. 日立アジア(ベトナム)社

Hitachi Asia (Vietnam) Co., Ltd.
日立アジア(ベトナム)社

画像: 日立アジア(ベトナム)社 ハノイ支店における打ち合わせ

日立アジア(ベトナム)社 ハノイ支店における打ち合わせ

画像: 【熱きサービスエンジニア・15】
Hitachi Asia (Vietnam) Co., Ltd. 日立アジア(ベトナム)社
[空気圧縮機 ベトナム編]

南淳裕 (2013年入社)
日立アジア(ベトナム)社
Hitachi Asia (Vietnam) Co., Ltd.
シニアサービスマネージャー

経済成長を続けるベトナムで、サービス体制の強化をめざす

 2021年10月、日立産機システムから日立アジア(ベトナム)社に出向した南は、これまでの約4年間、北部のハノイ市と南部のホーチミン市を中心に、シニアサービスマネージャーとして現地のサービスエンジニアとともに活躍してきました。南は、「2013年4月に日立産機システムに入社し、中部サービスステーションに配属されました。その後2018年度は研修生としてマレーシアに派遣され、1年間サービスエンジニアとしての経験を積み、その後、国内勤務を経て日立アジア(ベトナム)社に出向することになりました」とこれまでの経緯を語ります。

 南が赴任する前は、日本人の営業スタッフは常に在籍していたものの、空気圧縮機を担当する日本人のサービスエンジニアは必要に応じて日本から派遣されていたといいます。南は、「私が着任した頃、日系企業のお客さまから日本人のサービスエンジニアにも担当してほしい、というご要望が多くなっていました。加えて、日立産機システムにとってASEAN諸国は重要な市場であり、特にベトナムは人件費の水準、地理的特性、安定した経済成長など、日立のお客さまである日系企業にとって今後も非常に有望な国であることも背景にあります」と当時の状況を説明してくれました。

 日本での南の仕事は、製品のメンテナンスや緊急のお困りごとへの対応、サービスメニューのご提案などが中心でしたが、出向が決まってからはベトナムにおけるサービスエンジニアの仕事を改めて検討し、戦略的に活動を推進するためのアクションプラン策定に取り組みました。具体的には、取引がなくなったり、いつのまにか疎遠になったりしたお客さまの情報をまず収集・整理するとともに、1台1台の空気圧縮機の使われ方やメンテナンス履歴を確認することで精度の高い顧客データベースの構築をめざし、派遣前から計画を立て、着任後すぐに行動を始めたといいます。「その結果、1件1件のお客さまの様子や空気圧縮機の台数や稼働状態などがはっきりとしてきました。お客さまの様子や特性が分かればご提案できることや取り組むべき課題が明確になるので、サービスエンジニアとしての仕事に集中できます。訪問すらできなくなったお客さまに何度もアプローチを繰り返し、誠意を持って対応することで閉じられたドアを開くことができました」と南は胸を張ります。

画像: FCC(VIETNAM)株式会社様において空気圧縮機のメンテナンス(電流測定)をする南

FCC(VIETNAM)株式会社様において空気圧縮機のメンテナンス(電流測定)をする南

画像: 後輩のアン・ティエン・ルアット(右)とともに 日立給油式スクリュー圧縮機160kWを整備

後輩のアン・ティエン・ルアット(右)とともに
日立給油式スクリュー圧縮機160kWを整備

画像: 日立アジア(ベトナム)社のハノイ支店において 営業の森野郷志(左)とお客さま情報を確認

日立アジア(ベトナム)社のハノイ支店において
営業の森野郷志(左)とお客さま情報を確認

現地販売店と進める、教育・研修の展開

 南は顧客情報の整理とともに、サービス関連部品の売り上げを拡大することと、サービス体制の強化、人材教育にも精力を注いできました。「ベトナムに来てまず驚いたことは、現地のサービスエンジニアたちが想像以上に優秀で機転が利くことです。例えば、日本ではお客さまから機器のトラブルのご連絡を受けたら、直ちに調査・修理に伺います。しかし、こちらのスタッフはメンテナンスに時間がかかると予想したら、お客さまを訪問する時に代替の空気圧縮機を持参して、メンテナンス時にそれを使っていただくなど、お客さまのご要望を先取りする取り組みもできます」と南。ただサービスエンジニアに必要な知識や経験値は販売店や個人によって差があるので、技術力を高めるための技術講習会を継続的に実施することは重要だといい、率先して教育プログラムの作成に取り組み、販売店と協力して技術教育を実施してきました。

 「日立産機システムの事業所が主体となって行う海外での技術教育は、英語を使って実施されますが、日立アジア(ベトナム)社が行う教育はベトナムで事業を展開する販売店の人材ニーズに対応したものなので、ベトナム語による教育プログラムをつくり、それを計画的に実践しています。特徴的なことは、販売店と日立アジア(ベトナム)社のベトナム人のサービスエンジニアと営業スタッフにフォーカスした教育を行っていることです」と南。「現地スタッフの技術レベルが上がり製品知識が深まることで、彼らもやりがいを感じてくれています。もちろん、お客さまにご提供するサービスの価値を高めることができるので、私も誇りを持って取り組んでいます」。南の後輩であるアン・ティエン・ルアットも「サービスエンジニアとして、お客さまに信頼され、仕事ぶりを評価していただく時に一番やりがいと喜びを感じます」といいます。「南さんは技術力やコミュニケーション能力が高いので、入社以来、ずっと目標としてきた頼りになる先輩です。私も若手サービスエンジニアの育成とともに、自分自身もさらに勉強し、お客さまの課題解決に貢献できる人材になっていきます」と、力強く抱負を語ってくれました。

 南は、「私たちのお客さまには日系企業とベトナム企業が多く、韓国や中国系企業もあります。これらのお客さまに直接サービスをご提供しているのが販売店のサービスエンジニアなので、技術教育などを通してしっかりとサポートすることは、今後も私たちの重要な仕事の一つです」といいます。

画像: 後輩のルアットとメンテナンス計画を調整

後輩のルアットとメンテナンス計画を調整

画像: 販売店である誠産業ベトナム社様のサービスエンジニア天野測史様(左)と整備状況を確認

販売店である誠産業ベトナム社様のサービスエンジニア天野測史様(左)と整備状況を確認

ベトナムにおいて、お客さまの発展にさらに貢献するために

 ベトナムは国土が南北に細長いため、北部と南部では気候、文化、国民性、言葉など、さまざまな点で異なります。ハノイ市周辺の北部は四季があり、ホーチミン市を中心とする南部は1年中暑く、商業や経済の中心地として賑わいがあります。南は、シニアサービスマネージャーとして二つの都市を行き来し、従業員、スタッフの業務内容の調整や仕事ぶりの査定、人材の採用と入社後の教育にも取り組んでいます。「少数精鋭の体制なので、採用した人材の特性に合わせて柔軟に指導の内容や教育プログラムを展開しています。目標は、サービス部門のリーダーとして日系企業のお客さまにベトナムでの事業を安心して拡大していただける体制づくりです」と南は強調します。

 ベトナムでは、産業機械、空気圧縮機の分野では、中国、韓国、アメリカ、ヨーロッパのメーカーが進出しています。その中で日立の空気圧縮機を選んでいただけるのは、高い技術力と経験を活かし、お客さまの設備をトータルにサポートができるサービスエンジニアの存在があるからです。南は、「販売店の皆さんと一丸となって、自社製品に限らずお客さまの設備をトータルでサポートし、ソリューションをご提案できることが私たちの存在価値だと信じています。これからも、ベトナムで事業を展開するお客さまを支え、ベトナムの経済発展に貢献してまいります」と今後の展望を力強く語ってくれました。

画像: 誠産業ベトナム社様において、営業のグェン・ティ・ハー様(左)、天野様と今後のサービス方針を検討

誠産業ベトナム社様において、営業のグェン・ティ・ハー様(左)、天野様と今後のサービス方針を検討

画像: 誠産業ベトナム社様において、 日立アジア(ベトナム)社の サービス展開について意見交換

誠産業ベトナム社様において、
日立アジア(ベトナム)社の
サービス展開について意見交換

画像: サービスエンジニアの 育成について語るルアット

サービスエンジニアの
育成について語るルアット

( vol.143・2025年11月掲載 )

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