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関西支社 大阪サービス・エンジニアリング部 空圧グループ
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関西支社 大阪サービス・エンジニアリング部 空圧グループ
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関西支社
所在地 : 〒660-0806 兵庫県尼崎市金楽寺町1-2-1
上:多くのお客さまのご期待にお応えする空圧グループ
下:大阪サービス・エンジニアリング部があるオフィス(左)サービス工場(右)
サービスエンジニアの基本、役割、使命を徹底的に学ぶ
化学、輸送用機械、食料、電気機械をはじめ、さまざまな分野で活躍する多くのお客さまを支える日立産機システム 関西支社にあって、大阪サービス・エンジニアリング部 空圧グループの大河内雄也は、空圧機を担当するサービスエンジニアの若手リーダーの1人です。
「子供の頃から機械を触るのは好きでしたが、最初の研修で専門的な工具や治具の種類の多さに驚いたことを思い出します。研修後の2009年7月には空圧グループに配属され、空圧機全般に対する必要な知識と技術をしっかりとたたき込まれました」と入社当時を振り返ります。
大河内にプロ意識が芽生えたきっかけは、空気圧縮機がお客さまの工場にとっていかに大切な動力源かを学んだことです。「実際にお客さまの現場へ行って、空気圧縮機室はもちろんのこと生産ラインにも立ち入らせていただき、圧縮エアーが実際にどう使われ、いかに重要な働きをしているかを学ばせていただきました。この時、工場のラインでは空気圧縮機がかなり重要なものであると実感しました」と大河内。
その経験が現場で生きたのは3年目に入り、1人でお客さまを担当するようになった頃でした。お客さまからトラブルのご連絡を受けて駆けつけ、まだ経験は浅いながらもいかにお困りかが自分のことのように分かるので、持てる技術と知識を駆使して対応し、無事に解決できた時にはガッツポーズをしたこともあったと語ります。
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関西支社 大阪サービス・エンジニアリング部 空圧グループ
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大河内雄也 (2009年入社)
関西支社
大阪サービス・エンジニアリング部
空圧グループ
お客さま、先輩・上司から学び、成長できた恵まれた環境
大河内が働く関西支社の特徴は、担当するお客さまの件数が非常に多いことです。関西に拠点を持つ特約店の担当者さんと連携して活動する大河内ですが、全国規模で営業する特約店も多いので、実際には1,000社以上のお客さまを受け持っています。
「お客さまが多いからこそ、お客さまに育てていただける機会が多かったと思います。また先輩や特約店の担当者さんには製品知識が幅広く、業界情報にも詳しい人が多いので、一緒に仕事をさせていただく中で学ぶことがたくさんありました」という大河内。「思い起こすと無口ながら高い技術力を持つ上司、ひたむきにお客さまと向き合う先輩、日立グループの幅広い製品やシステムを熟知している特約店の担当さんなど、若い自分にとって刺激になるような人に囲まれていたと思います」と語ります。
人に恵まれ、順調に成長してきたかのようにみえる大河内ですが、実際には無我夢中の日々でした。「毎日現場に出向き、オフィスに戻ったら報告書と見積書を何件も作成。入社後4年間のことはほとんど記憶にないぐらいです」と笑います。

必要な工具や部品を車に積み込みお客さまのもとに駆けつける。

サービス工場内の圧縮機メンテナンススペース。

圧縮機に搭載されているインバータのメンテナンス。
大型空気圧縮機のトラブルと向き合い、解決することで得た信頼
大河内がこれまでのキャリアの中で忘れることができないのが、株式会社ロジックス様を担当することになった2013年のこと。稼働中のSDS(スーパードライスクリュー)空気圧縮機1台にトラブルが発生しました。出力500kWの空気圧縮機は本体だけで重さが約2t。とても1人で修理できるようなものではありません。「現場から搬出するために門型クレーンが必要なので、重量物専門業者をまず手配。修理を担当する日立の事業所にもスケジュール調整を依頼し、運搬業者や自社の作業者にも緊急連絡を入れるなど必死に奔走しました。お客さまの生産ラインを長く止めることはできないからです」と、大河内は当時を振り返ります。こうして通常の手順であれば復旧までに3~4ヵ月かかるところを、お客さまのご協力のもと2週間ほどで復旧。「大型空気圧縮機は、小型や中型と基本構造は同じでもまったく別物だということを学びました。生産ラインにおける重要度が高いことはもちろん、汎用機と違い交換部品も新たに製造する必要があるので、復旧プロジェクトの中心として多くの関係者をまとめる責任は重大でした」と語ります。
2013年以降、お客さまとのコミュニケーションを深めることができた大河内は、その後発生したトラブルにも迅速に対応することで信頼を得て、リスク対応のために空気圧縮機の増設をご提案。その結果2019年には、出力500kWの大型空気圧縮機1台を新たに導入していただくことができました。

オフィス内にてFitLiveの監視画面を確認。

お客さまに納品された500kWの日立大型空気圧縮機。
期待され、頼られるサービスエンジニアとしてさらに挑戦
大河内の上司にあたる同グループ 主任技師の磯山英二は、「大河内君は仕事をシステムとして捉え、スマートにやり遂げている印象があります。機械にも詳しいし、お客さまとのコミュニケーション能力も高い。後輩を教えることが上手で指導力もあり、彼らのモチベーションを高めることができます。サービスエンジニアとしていつもお客さまの立場で考えるという良きDNAを持ちながら、新しいサービスエンジニアのあり方を追求することもできるので、今後もさらに成長してほしいですね」と期待を寄せます。「面倒見が良くて頼りになる先輩です。分からないことは本当に丁寧に教えてくれます。大河内さんを見ならって私もさらに成長したいと思っています」と語るのは、後輩の森秀平です。
大河内はサービスエンジニアとしてのキャリアを重ねるうちに、お客さまと向き合う姿勢が固まってきたと言います。それは、とにかくお客さまが抱える課題について一緒に悩み、考え続けること。「仕事を効率良く処理することも大切ですが、お客さまのご依頼やご要望に対して簡単に応じるのではなく、その結果がもたらすメリットとデメリットを明らかにして、複数のご提案やソリューションをご用意することを心掛けています」と、日々の仕事に向き合う姿勢を語ります。さらに、「製品の価値に加えてサービスの質と価値の高さが日立産機システムの強みです。空気圧縮機に標準搭載されているIoT対応クラウド監視サービス“FitLive”をフルに生かし、データを駆使して生み出す新たな価値をお客さまにお届けしたいと考えています」と大河内は続けます。
磯山も、「当社は、産業機器を取り巻くビジネス環境の変化に応じて、製品という“モノ”から、サービスや体験、あるいは価値という“コト”をご提供できる企業として変化していきますので、サービスエンジニアの仕事のあり方も今後大きく進化すると思います。これからは、さらに一歩先のことを考えながら仕事に取り組む必要が高まると思いますね」と、サービスエンジニアの将来を語ります。
空気圧縮機が動力源としてお客さまの工場で果たす役割は変わりませんが、サービスのあり方は進化し、サービスエンジニアが活躍する世界はさらに広がっていくことは間違いありません。

空圧グループの後輩である森秀平に操作上のチェックポイントを指導する。
[ 進化したサービスエンジニア教育プログラム ]
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関西支社 大阪サービス・エンジニアリング部 空圧グループ
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日立産機システムのサービスエンジニアの教育は、これまではOJT中心でしたが、2020年に、若手エンジニアを7年計画で育成するプログラムを新たに導入しました。製品知識や技術力、ビジネス面で重要なモラル、お客さまと接する時のマナーなど、その内容は幅広いものです。例えば自転車の分解・組み立てプログラムがありますが、工具や治具の準備や整理の仕方、作業前に床を養生するなど、基礎の基礎からじっくり学びます。1年や2年ではなく、7年という長い時間をかけ全人的に育てようというプログラムから、当社のサービスエンジニア育成にかける本気度を分かっていただけると思います。
サービスエンジニアが活躍するお客さまを訪ねて
トナー生産の専門工場として
グローバルサプライチェーンを支える
株式会社 ロジックス 横田工場様

左:トナー製造ライン 右:株式会社 ロジックス 横田工場 工場長 髙木稔 様

左:日立大型空気圧縮機(500kW) 右:空気圧縮機ご担当の同社係長 乾浩人様と操作パネルを見ながらの打ち合せ
変化するトナーとともに進化してきた生産技術
生産、梱包・物流、設計開発、サービスと多様な事業を展開する企業群で構成されたユーテックグループにあって、1987年に設立された株式会社ロジックス様は、物流、生産、サービス、通信、ECソリューション事業などを手掛けています。今回お訪ねした同社の横田工場様は、複合機用トナーを専門に生産する工場として2006年に操業開始。以来、同社の生産事業を支えています。
工場長の髙木稔様は、「トナーは樹脂の粉です。複合機の中で熱で溶かして印刷面に定着させますが、近年は省エネルギーのために低い温度でも定着できるトナーが求められるようになり、当工場でもトナーの変化に合わせて生産技術を進化させてきました」と語ります。トナーは材料となる樹脂に着色剤や電荷制御材、ワックス、外添剤などを添加してつくられます。同工場では大型のミキサーに樹脂材料を投入し、混合。次に混合された材料を加熱しながら溶かして混ぜ、その後冷却して粒子径が6〜7µmになるまで細かく粉砕。粒度を整えた後に、表面にさまざまな添加剤を加えてトナーとなります。
生産工程を支える大型空気圧縮機を守り続ける
同工場では材料の計量、弁の開閉、粉砕、輸送などほぼすべての工程で圧縮エアーを使いますが、特に粉砕工程では樹脂の粒子を大量のエアーを使って衝突させるので、大型空気圧縮機が欠かせません。「生産ラインは止めずに稼働させることが一番効率と品質を安定させるので、空気圧縮機も操業開始以来ほぼ休みなく稼働させてきましたが、2018年に一番負荷がかかっていた空気圧縮機に深刻なトラブルが発生しました。当初は、復旧に6ヵ月かかるという見立てでしたが複写機メーカー様や世界のお客さまに影響が出るので、日立産機システムさんに迅速な対応をお願いし、応急処置で何とか1ヵ月足らずで復旧していただきました」と髙木様。ただ復旧後も経年によるトラブルが予想されたので、大河内は新たな大型空気圧縮機の導入をご提案。「生産設備に余力を持たせない方針でしたがトップの判断で導入を決定しました。他社にも照会をかけましたが最終的に日立製に決定しました」と髙木様は経緯をご説明されました。
同工場では、現在、出力500kWの空気圧縮機が2台、270kW2台が24時間フル稼働。1台が予備機として控えています。「トラブル時には大型空気圧縮機は汎用機と異なり復旧に時間がかかりますが、トナー生産に欠かせない設備なので少しでも短期間で復旧できる体制を整えていただけるとありがたいです」と髙木様。当社では今後は予防保全、予兆診断にも取り組み、横田工場様の安定した操業に貢献していきたいと願っています。

左:日立大型空気圧縮機(270kW×2台) 右:横田工場 外観
株式会社ロジックス
横田工場:奈良県天理市中町459番地4
事業内容:複合機用トナー生産
https://www.logix.u-tc.co.jp/
[ 日立産機システム ]
お客さまと日立産機システムをつなぐ新しい取り組み VOL.4
さらなる省エネとCO2削減をめざす
オイルフリースクリュー圧縮機
AIRZEUS SDS NEXT Ⅲ series

AIRZEUS SDS-NEXT Ⅲ series
[1]高効率・省エネを実現するエアエンド
先進の計算流体力学技術を駆使した3次元流れ解析により、流路、吸込・吐出口、ロータ形状の最適化を実現。
●熱変形補償テーパーロータ
●長寿命の軸受
●信頼性の高い軸封

※共通条件
○機種:SDS-280N3-7 ○負荷率:100% ○吐出圧力:0.7MPa ○運転時間:8,000時間/年
[2]操作性を追求した新型高機能操作パネル
多機能カラータッチパネルと充実のIT通信機能により、操作性の向上、多彩な運転機能などを実現。

※画面はハメコミ合成です。
[3]省エネ・省電力の先端テクノロジーで必要な空気量を必要な圧力で供給。
ロード/アンロード制御方式、回転数制御方式、末端圧力予測制御、省エネ運転制御により、さらなる省エネを実現。
[4]クラウド監視サービス「FitLive」が、常に稼働状態を監視します。
24時間リアルタイム監視で設備の安定稼働を実現。さらにクラウド監視サービスにより、設備管理業務の軽減を実現。
( vol.121・2022年3月掲載 )