![画像1: 【熱きサービスエンジニア・8】
埼玉サービスステーション[ポンプ編]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783708/rc/2025/03/04/acbe30a71c56dc33e94671eaf47b0e055a1b6b39_xlarge.jpg)

上:広い関東地域のお客さまを支える埼玉サービスステーションのスタッフ
下:オフィス内(左)広々とした整備工場(右)

埼玉サービスステーション外観
埼玉サービスステーション
所在地 : 〒363-0002 埼玉県桶川市赤堀1-35
産業インフラ、社会インフラを守るスペシャリストの使命
日立産機システム カスタマーサクセス・サービス事業本部 サービス事業部 北関東サービス部 埼玉省力・施設グループの田中優作は、2012年の入社以来、ポンプ、モータ、インバータ、IoT対応産業用コントローラなどの製品のメンテナンスを担当してきました。
「私が担当しているお客さまは、埼玉県下の大型の集合住宅や商業施設、病院や学校・研究機関に加え、工場なども多くあります。私が扱うどの製品も、お客さまの仕事や暮らしを直接支える重要なものですが、中でもポンプはトラブルの発生により給水が止まると、病院なら患者さんの命に関わることもあるのでメンテナンスは極めて重要です。集合住宅や学校など他の施設でも、給水の停止は深刻な影響をもたらすので、日頃からお客さまとのコミュニケーションを深めて点検を徹底し、予防保全に努めています」と田中は語ります。
ポンプの点検で重要なポイントは、モータとともに制御部分です。例えばインバータ制御を使用しない圧力タンク方式では、圧力タンクをポンプとともに設置し、そこに貯まった空気の圧力の変動によって運転と停止を制御します。このタイプのポンプでは、圧力タンクとポンプの状態、制御盤の自動操作が間違いなくできるかどうかをチェックすることが重要です。また複数台のポンプを効率的に使って最適運転を維持するような給水ユニットの場合は、インバータを中心とした制御システムのチェックが最重要となります。
ポンプは耐久性が高い製品ですが、制御システムは、10年以上経てば電子部品に劣化が見られることがあるので、オーバーホールや部品交換、修理などの必要性をお客さまに丁寧にご説明することは大切な仕事です。
「給水ユニットのような制御システムの場合は、不具合が起き、ポンプが止まって断水してからではどんな施設でも大掛かりな修理や部品交換が必要になってしまうので、深刻な故障が発生しないようにメンテナンスを実施することが大切です。特に基板やインバータに関しては5年から7年ぐらいでの部品交換を推奨していますが、いずれにしても費用がかかることなのでご提案を受け入れていただけるように、日頃からお客さまとの確かな信頼関係を築くことを心掛けています」と田中はサービスエンジニアとしての基本姿勢を語ってくれました。
![画像2: 【熱きサービスエンジニア・8】
埼玉サービスステーション[ポンプ編]](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783708/rc/2025/03/04/33b36fa754ff9a2263c21ab7cfb81a02da86bcb6_xlarge.jpg)
田中優作 (2012年入社)
株式会社 日立産機システム
カスタマーサクセス・サービス事業本部
サービス事業部
北関東サービス部
埼玉省力・施設グループ
ますます重要になるマルチスキルを持ったサービスエンジニアの育成
埼玉省力・施設グループが置かれている埼玉サービスステーションは、空気圧縮機などの空圧機器を担当する空圧グループ、ポンプやモータ、インバータ、ホイスト、さらには産業用インクジェットプリンタなどのマーキング機器などを担当する省力・施設グループに別れ、埼玉県、群馬県、東京都多摩地区などのお客さまの設備機器を守っています。「近年、埼玉県周辺では自動車専用道路網の整備が一段と進んだことで工場や物流拠点の進出が進み、新しいお客さまが増えているという手応えがあります」と語るのは、田中の上司である同グループ 主任技師の五十嵐央です。さまざまな当社製品をお使いのお客さまの増加に対応して、サービス品質の向上や標準化を実現するために、埼玉県、群馬県、栃木県に置かれた北関東エリアの各サービスステーションでは、サービスエンジニアのさらなる育成と集約化を図ってきました。その取り組みの中で、田中のようにポンプやモータをはじめとするドライブ関連製品と呼ばれるインバータやPLC(プログラマブルコントローラ)、BUY電ゲートウェイ®(太陽光発電用パワーコンディショナシステム)などの電気設備機器のメンテナンスを、自信を持ってできる人財も増えてきました。
「日立産機システムは、社会を支える産業インフラ、社会インフラに関わる多種多彩な製品をつくっています。私達サービスエンジニアは、多岐にわたる製品をこれからもお客さまに安心してお使いいただくために幅広いスキルと知識、経験を持った人財の育成に取り組み、各サービスステーションにも優秀なサービスエンジニアを送り出したいと考えています」と五十嵐は今後の取り組みを語ります。

日立産機テクノサービスの高橋暁弥とともにモータを整備する

新しいメンテナンス商品についてチームで検討する
サービスエンジニアだからできる商品開発で、お客さまのご期待にお応えする
「当社が定期的にメンテナンスをしているポンプなら修理や部品交換のタイミングを予想することができますが、施設側で点検されている場合には突然トラブルが発生することもしばしばあります。そんな場合にはご連絡を受けてすぐに駆けつけポンプの修理にあたります」と田中。しかし給水ユニットの場合、ポンプは日立製でも制御盤が他社製のこともあります。「そんな時には図面を読み込み、他社製の制御盤を調整する技術力も必要です。数多くの現場を経験したことが緊急対応時に生きていると思います」と田中は語ります。
こうしてポンプのメンテナンスのあり方を学んできた田中に、その経験をお客さまにお伝えできる機会が巡ってきました。それは大手住宅管理会社のお客さまから要請され、社内研修会で給水施設に関する講師を務める機会をいただいたことです。「当社のサービスエンジニアとしてご信頼いただき、管理会社の社員の方に給水ユニットの構造やメンテナンス方法を教えることで自らも成長できていると感じています」と田中。さらに直近では、社内の「ポンプ部会」のメンバーに選ばれ、ポンプやモータを幅広く開発・生産する当社ならではの新しいメンテナンスパックプランを他のメンバーとともに企画し、商品化されたという実績をあげています。これは、年次定期点検と消耗部品交換、24時間緊急対応サービスなどをまとめた「メンテナンスパック」で、お客さまにとってはコスト平準化、安全安心、リスク低減などのメリットがあります。同グループの先輩技師である前田恭成は、「田中は、これまでも中長期の定期点検計画のご提案や点検整備報告などをお客さまに展開してきましたが、その経験がサービスメンテナンス商品の開発につながったと思います。日頃の仕事ぶりは誠実かつ実直で、集中力もあり、頼もしく思っています」と評価しています。
田中は、「ポンプやモータ以外の製品でもさらに知識と技術を高め、お客さまを支えていきたいと思っています。またお客さま先でお使いの他社製品も点検、整備、管理ができるように務め、将来的には当社製品への置き換えを積極的にご提案したいと思います。さらに当社製品以外の分野でも信頼していただけるサービス分野を拡大し、新たな技術習得にもチャレンジしていきたいと考えています」と力強く今後の抱負を語りました。
日立産機システムは、今後とも専門的知識と経験、理論の裏付けのある確かな技術力を持ったサービスエンジニアを育成し、全国どこでも同じレベルのサービスをご提供してまいります。

主任技師の五十嵐と打ち合わせ

お客さまである住宅管理会社で給水ユニットに関する研修会を担当

お客さまにご提案する「メンテナンスパック」の資料を作成

万象設備株式会社の大野様とともにマンションの給水ユニットを点検
マンションライフを支える水を休むことなく送る、安全・安心の給水システムを守る
万象設備株式会社 代表取締役 大野章様
万象設備株式会社様は、埼玉県と、埼玉県に接する東京都の北部を中心に集合住宅、商業施設、病院、金融機関などの建物の設計・施工・監理、給・排水配管や電気設備などの管理・メンテナンスまでをトータルに行うプロフェッショナルです。特に設備機器のメンテナンスにおいては、緊急事案の発生時の迅速な対応がお客さまから高い評価をいただいているといいます。今回お訪ねしたのは、埼玉県戸田市の静かな住宅街に立地するパークプレイスⅠ(24戸)、Ⅱ(68戸)、Ⅲ(68戸)と名付けられたマンション。同社では、各棟に導入された日立製の給水システム「ウォータエース」の管理とメンテンスを、竣工以来30年以上手掛けてきました。
同社代表取締役 大野章様は、「この給水システムは、ポンプとつながった大型の圧力タンク内の空気圧でお住まいの方が圧力変動を感じることがない上、ポンプが稼動する時間が極めて短いことが特長です。システム全体がシンプルな構造のため、これまでお住まいの皆さまにご迷惑をかけるような故障はほとんどなかったので、施主様にも大変ご満足いただいていると思います」と語られました。日立産機システム サービスエンジニアの田中は、給水システムの今後の安定稼動のために計器類やスイッチ類などの部品交換を実施するとともに、これまでの実績を背景に、定期的なメンテナンス契約をご提案。施主様にもご了承いただきました。
「当社では、お住まいの方に安心して住んでいただくことを最大の目標としています。日立産機システムさんにも同じ気持ちで給水システムを見守っていただきたいですね」と、期待のお言葉をいただきました。
万象設備株式会社 埼玉県北足立郡伊奈町小室2268-57

万象設備株式会社 代表取締役 大野章様

左:パークプレイスⅠ(左)、パークプレイスⅡ(右)外観 右:ポンプ室
( vol.129・2023年7月掲載 )