1955(昭和30)年に理研光学工業株式会社(現 株式会社リコー)が発売した「卓上複写機リコピー101」は、日本初の露光(焼付け)・現像一体型の卓上型ジアゾ湿式複写機であった。当時のジアゾ複写プロセスはアンモニアガスを用いる方式が主流で、装置も大きく、排気設備のない部屋では使用できなかった。それを同社独自の技術で、露光と現像のプロセスに必要だった手作業を省くとともに一体化も成し遂げ、無水・無臭の露光・現像、小型化も実現。また、ロール紙ではなくカット紙タイプのものを使う構造で、1分間に5枚のコピースピードなど、操作性も格段に向上し、オフィスで欠かせない存在となった。
 同機は、OA化のさきがけとしてオフィスに合理化(OA化)をもたらしただけでなく、複写誤差が生じないため後に図面の複写機としても発展した。やがてリコーのジアゾ複写機の生産台数は後継機を含め100万台を超え、「リコピー」が複写の代名詞となるほど普及した。
(日本機械学会 機械遺産 第54号)

所蔵:株式会社リコー リコーテクノロジーセンター

引用:日本機械学会「機械遺産」 機械遺産第54号 https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/heritage_054_jp.html
協力・参考:株式会社リコー https://jp.ricoh.com/

( vol.139・2025年3月掲載 )

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