FJR710ジェットエンジンは、1971(昭和46)年に通商産業省工業技術院(現 産業技術総合研究所)の大型プロジェクト「航空機用ジェットエンジンの研究開発」の下で開発された、わが国初の高バイパス比ターボファンエンジンである。ターボジェットエンジンより推力が大きく、省エネルギー性にも優れていた。要素研究と運転試験を航空宇宙技術研究所(現 JAXA)が担当し、石川島播磨重工業株式会社(現 株式会社IHI)、三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社の3社が設計試作を担当した。
 このエンジンの高空性能試験が英国国立ガスタービン研究所(当時)で行われ、その高度な技術は国際的にも高く評価され、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、日本の5ヵ国による共同開発エンジンV2500へとつながった。V2500はエアバスやボーイングなど多くの機体に搭載され、現在も数多くのエアラインで活躍している。またFJR710ジェットエンジンは、航空宇宙技術研究所の短距離離着陸(STOL)実験機「飛鳥」に搭載されるなど、わが国の民間航空エンジン産業を盛り上げた。
※ エンジンのファンの部分だけを流れる外側の空気の量とエンジン内部の燃焼器に送られる空気の量の比率が高いエンジン
(日本機械学会 機械遺産 第7号)

引用:日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第7号 https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/heritage_007_jp.html
協力・参考:独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 https://www.jaxa.jp https://fanfun.jaxa.jp/feature/detail/3874.html

( vol.135・2024年7月掲載 )

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