「フィルムだけでは解決できないお客様のニーズにお応えしたい」との想いを原点に、フィルムと液体充填機の同時提供をめざし、1992年に液体充填機「NT-DANGAN」を開発した大成ラミック株式会社。2011年には、北米でのビジネスを拡大するために大成ラミックUSAを設立し、現地の食品メーカー、調味料メーカーに、高品位、高生産性、そして環境にやさしいフィルムと液体充填機を提供しています。 今回は、同機の高速充填を支える日立産機システムの産業用インクジェットプリンタをご紹介します。
画像1: 【お客さま導入事例 vol.169】
大成ラミックUSA(Taisei Lamick USA, Inc.)

「つつむを、未来へ」を実現する
先進のソリューションを提供する

大成ラミック株式会社

代表取締役社長:長谷部正
設立:1966年
所在地:埼玉県白岡市下大崎873-1
従業員数:652名
事業内容:プラスチックフィルムを中心とした液体充填用フィルム「RevSpecシリーズ」、液体充填機「DANGANシリーズ」及び周辺機器の開発・製造・販売
https://www.lamick.co.jp/

大成ラミックUSA
(Taisei Lamick USA, Inc.)

プレジデント:浅井孝茂
設立:2011年
所在地:2416 Estes Ave. Elk Grove Village, IL 60007 USA
従業員数:25名
事業内容:上記製品の販売及びメンテナンス
https://www.taiseilamick.com/

食文化の大きな変化を支えた液体充填機とフィルムのトップメーカー

 大成ラミック株式会社は、1966(昭和41)年にパッケージの製造販売を目的として誕生しました。成長への大きな転機となったのは、1989年に液体充填用フィルムの販売を開始したことです。「次いで、1992年にパッケージやフィルムに加えてパウチ(小袋)に調味料などの液体を充填する『NT-DANGAN』という機械を発売し、同機を核とした事業が大きく成長し始めました。入社当初アメリカで『DANGAN』2号機が売れたことは鮮明に覚えていますよ」と振り返るのは、大成ラミックUSAのプレジデント 浅井孝茂様です。

 やがてコンビニエンスストアが全国各地に出店されるようになると、個食化、個包装化が市場に定着します。「弁当やそば、うどんには、パック入りのつゆやタレが添えられるようになり、調味料が充填された液体小袋へのニーズが大きく伸びました。さらにカップラーメンが人気になる頃には、スープやかやくの小袋を当社が手がけるようになり、当社製品がつくるカップ入り納豆のタレやからし用の小袋も大きく市場を占めるまでになりました」と浅井様はこれまでの成長ぶりをご紹介されました。

画像: 同社が生産するさまざまな形態のパウチ

同社が生産するさまざまな形態のパウチ

 こうした歴史をベースに、「フィルム・DANGAN・オペレーションサービス」をワンストップで提供するビジネスモデルの構築をめざし、変化する事業環境に適応しつつ「液体包装システム」をさらに進化・ブラッシュアップさせることで事業を拡大。現在、日本国内では毎日約3,000万食、1時間に100万食分の液体小袋を「DANGAN」が生産しています。

 大成ラミックの北米展開は、2011年に東海岸のデラウェア州に大成ラミックUSAを設立したことに始まります。翌年には、米国企業のお客さまに「DANGAN」を紹介する事業と、日系の食品メーカー、調味料メーカーなどへの技術サポートを展開しています。現在バイスプレジデントを務める折原由和様を含むわずか3名で、グローバルビジネスの礎を築くために市場開拓に奮闘したといいます。現在同社はイリノイ州に本社を、ロサンゼルスとニュージャージーにもデモルームを併設した支店を展開し、さらなる事業拡大に取り組んでいます。

画像: 大成ラミックUSA プレジデント 浅井孝茂 様

大成ラミックUSA プレジデント 浅井孝茂 様

高い機能と使いやすさを実感できる「DANGAN’S STUDIO」

 浅井様は、「大成ラミックUSAの設立後、事業が成長の軌道に乗ったのは2013年頃です。米国企業向けの拡販活動を強化するために、『DANGAN』の優れた機能や各種のフィルムを直接紹介するためにデモルームを開設しました。“show and tell”(多くの人に見せ、伝えること)を実現する『DANGAN’S STUDIO』の誕生です」と同社の一番の特徴を紹介されました。

 折原様は、「同業他社を見ると、機械もしくはフィルムだけに特化したビジネスを展開しているケースが多いようです。しかし当社は、独自の強みを持つ液体充填機を持ち、多種多様な液体充填用のフィルムをご用意しているので、食品メーカーや調味料メーカーのお客さまにとって一番良いソリューションを『DANGAN’S STUDIO』において直接ご提案できます」と語ります。浅井様も、「『DANGAN’S STUDIO』では、充填する液体の粘度が非常に高い場合や液体の温度が極端に低い場合などのさまざまな充填条件に関する知見やフィルムの加工に関するノウハウが蓄積されているので、お客さまのご期待に応えることができると自負しています」とその強みをご紹介されました。

画像: 大成ラミックUSA バイスプレジデント 折原由和 様

大成ラミックUSA バイスプレジデント 折原由和 様

 現在「DANGAN’S STUDIO」にはさまざまなタイプの充填機が並び、生産性、品質、安定性、使いやすさに優れたインターフェースなどを、お客さまのニーズに応じて紹介しています。特に、内側印刷、外側印刷、両面印刷などに自在に対応できる独自のブランケットを備えた機構は、多くのお客さまの目を引き付けているといいます。

 この「DANGAN」による高速充填を実現するうえで欠かせないのが、日立産機システムの産業用インクジェットプリンタ(以下 IJP)です。同機は液体を充填した小袋に製造年月日や賞味期限、ロット番号など、トレーサビリティに必要な文字や記号を「DANGAN」の充填速度に対応して高速で印字します。浅井様からは、「大成ラミック全体の『DANGAN』を販売するにあたり、併設するマーキング機器として日立産機システムさんのIJPをお客さまに積極的に推奨しています。北米で200台以上の『DANGAN』を販売してきましたが、その半数以上のケースで日立IJPが採用されています」とのお言葉をいただきました。

画像: 多彩な液体充填機が並ぶ「DANGAN’S STUDIO」

多彩な液体充填機が並ぶ「DANGAN’S STUDIO」

画像: クリーンで機能的なオフィス

クリーンで機能的なオフィス

画像: お客さまのご要望に合わせて出動するデモカー

お客さまのご要望に合わせて出動するデモカー

画像: ホアン・メンデス様(中)を中心とするエンジニアスタッフ

ホアン・メンデス様(中)を中心とするエンジニアスタッフ

画像: 北米市場全域への出荷を待つ製品

北米市場全域への出荷を待つ製品

北米事業の拡大と進化に向けて新たな取り組みに挑戦する

 「DANGAN’S STUDIO」でお客さま向けにデモや技術的サポートをご提供するのは、技術部門とサービス部門を統括するゼネラルマネージャーの石井慶様やエンジニアスタッフたちです。石井様は、「お客さまに『DANGAN』の性能や使い方をご紹介するためには、セールスエンジニアとサービスエンジニアの能力を併せ持つことが求められています。そのために、エンジニアの教育には特に力を入れています」と語ります。エンジニアマネージャーのホアン・メンデス(Juan Mendez)様は、「お客さまが私たちに期待しているのは、お客さまに正しい知識と技術をお教えし、私たちが帰った後にボタンを押すだけで『DANGAN』を起動できるようにすることです」とエンジニアの使命を紹介されました。

 石井様からは、「パウチの大きさや形状はもちろんのこと、内側に印字するか外側に印字するか、文字数はどうするかなど、IJPの使い方はお客さまごとに異なりますが、密接なコミュニケーションのもと日立産機システムさんやHitachi Industrial Equipment & Solutions America, LLCのサービスエンジニアの方とともに課題を解決しています。今後もマーキングに関するお客さまのニーズは高度化していくと思いますので、ご協力をお願いします」とのご要望をいただきました。

画像: 大成ラミックUSA ゼネラルマネージャー 石井慶 様

大成ラミックUSA ゼネラルマネージャー 石井慶 様

 浅井様は、「米国の人口は2080年頃にピークを迎えるといわれ、今後50年以上人口は伸び続けるとともに食品関連市場も拡大すると想定しています。しかし、市場の拡大に追随するだけではさらなる成長は見込めません。これからは自社のDX化やGX化とともに、次世代の『DANGAN』の開発も重要です。さらに、お客さまの充填工程そのものを完全に自動化するシステムの構築にも取り組みたいと考えています」と語られました。そして、「食の安全に関する規制はさらに厳しくなると想定されるので、IJPなどによるオンデマンド印刷の重要性はさらに高まります。日立産機システムさんのマーキング機器・システムについては、さらなる多機能化、高機能化に期待しています」とのお言葉をいただきました。

 日立産機システムは、今後ともグローバルに展開する営業拠点や販売店網、日立グループとのシナジーを活かし、大成ラミック様のグローバルビジネスと大成ラミックUSA様のさらなる発展に向けて、一層の貢献を果たしてまいりたいと考えています。

画像: 高速印字を実現する日立インクジェットプリンタ

高速印字を実現する日立インクジェットプリンタ

画像: 高速で回転するフィルム

高速で回転するフィルム

画像: さまざまな素材のパウチにも正確に印字

さまざまな素材のパウチにも正確に印字

画像: 日立空気圧縮機

日立空気圧縮機

お客さまのために力を合わせて —日立産機システム 製品関係者—

お客さまの北米ビジネス、さらにはグローバルビジネスの展開にも貢献してまいります

 大成ラミック株式会社様には、当社の産業用インクジェットプリンタ(以下 IJP)を液体充填機「DANGAN」に欠かせないマーキング機器としてご指定いただいているため、世界中のお客さまにご採用をいただき、食の安全に欠かせないトレーサビリティの確保に貢献してきました。
 同社は、グローバルビジネスの拠点として大成ラミックUSA様を2011年に設立されて以来、北米での事業を強化されてきました。この間、当社の現地法人であるHitachi Industrial Equipment & Solutions America, LLCは、北米に広がる販売店網を活かして北米ビジネスに関わるご相談に応じ、お客さまに対するIJPのメンテナンスサービスなどのサポートをご提供してきました。今後はより一層、大成ラミックグループ各社様のグローバルビジネスの展開に貢献するために、現地法人の営業スタッフ、国内営業担当者と連携して大成ラミック株式会社様と大成ラミックUSA様との交流を深めるとともに、北米事業における新たなご要望をお聞きし、営業面や技術サービス面、製品面などにおいて新たなご提案に結びつけていきたいと考えています。また、日立産機システムは、米州、欧州、東南アジア、中国などグローバルな規模で拠点を有している強みと日立グループのシナジーを活かし、大成ラミックグループ各社様のグローバルビジネスの発展に貢献していけるよう力を結集したいと考えています。
 日立産機システムは、これからも大成ラミック株式会社様のグローバルビジネスのお役に立つとともに、大成ラミックUSA様が展開する「DANGAN」の販売拡大のお手伝いを通じて、当社のIJPが北米での食の安全、トレーサビリティの確保に貢献できるよう努めてまいります。

画像2: 【お客さま導入事例 vol.169】
大成ラミックUSA(Taisei Lamick USA, Inc.)

「つつむを、未来へ」を実現する
先進のソリューションを提供する

日立産機システム 営業統括本部
設備営業統括部 省力営業部 マーキングシステムグループ
主任 本間友祐(左)
グローバルセールス統括部 営業部 第二グループ
主任 今村卓美(中)
Hitachi Industrial Equipment & Solutions America, LLC
ナショナルアカウントマネージャー-ジャパニーズ・アカウント
武山博道(右)

画像3: 【お客さま導入事例 vol.169】
大成ラミックUSA(Taisei Lamick USA, Inc.)

「つつむを、未来へ」を実現する
先進のソリューションを提供する

Hitachi Industrial Equipment & Solutions America, LLC
米州販売店向け技術・
サービスサポートチーム
サービスエンジニア 技師
竹村仁 (2024年7月現在)

ご採用いただいた製品

マーキングシステム
日立産業用IJプリンタ UX2 Series

印字ヘッド自動洗浄機能搭載でよりクリーン&より使いやすく!
印字ヘッド先端は稼働中に汚れやすい部分です。セーフクリーンステーション内では印字ヘッド内部はもちろん印字ヘッド先端部分も自動洗浄することが可能となりました。さらに、操作画面のボタンを押すだけで定期的にインク噴出・循環運転を行い、インク詰まりを防ぎます。

主な特長
1. セーフクリーンステーションだからできる新機能
2. 新構造“インクガード”による生産性向上
3. 直感的に操作可能な画面構成と動画によるサポート

画像4: 【お客さま導入事例 vol.169】
大成ラミックUSA(Taisei Lamick USA, Inc.)

「つつむを、未来へ」を実現する
先進のソリューションを提供する

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( vol.139・2025年3月掲載 )

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