「所有するよりレンタルがいい」。そんな価値観が企業や自治体に広がっています。2019年、設立35周年を迎える株式会社レントは、産業・建設・土木分野向けの機械器具や車両を取り扱う総合レンタル企業。他に先駆けて導入した新しい機械器具や特殊なマシン、東北から九州におよぶ営業・管理サービス網によるサポート体制は、独自の競争力の源泉です。今回は、多種多様な機械器具、車両をお客さまにご提案するための営業戦略と、同社の戦略的商品として導入された日立産機システム製品をご紹介します。
画像1: 【お客さま導入事例 vol.145】
株式会社レント

産業用、建設用の幅広い機械器具や車両、特殊なマシンの品揃えに加え、サービス力、提案力を生かして成長する総合レンタル企業。

株式会社レント

代表取締役社長:田島潤一
創業:1984(昭和59)年
本社所在地:静岡県静岡市駿河区国吉田1-6-10
従業員数:934名(2018年5月31日現在)
事業内容:産業車両・機械の総合レンタル業、測定工具校正事業、バッテリー再生事業、コンプレッサの最適化による省エネ提案、クリーンルーム内使用機械のクリーン対応、有害物質除去清掃システム、建設機械の教習事業、資機材・中古機販売事業、絵画のレンタル事業
http://www.rent.co.jp

躍進を続けてきた背景にある、新鮮な提案力と高いサービス力

 産業用機械器具、建設用機械器具や車両などの総合レンタル業を営む株式会社レントは、1984(昭和59)年に設立。当初は静岡県内の2店舗、従業員10名ほどでスタート。代表取締役社長の田島潤一様を筆頭に、力を合わせて朝から夜遅くまでレンタル機器の搬出入をこなしたといいます。創業時は土木向けが主でしたが、その後、建築業界に向けて事業を拡げ、2001年には産業分野に進出。2008年のリーマンショックを機に、特定の業界や民間・公共にこだわらない営業方針に舵を切ってからは順調に成長を遂げてきました。現在は東北・関東・中部・関西・九州に62営業拠点、修理・メンテナンスを行う管理センターを10拠点有し、売上高は300億円を優に超えるまでになりました。

 「躍進を続ける当社の強みは、“新鮮な提案力と高度なサービス力”です。“新鮮な提案力”とは、働く人の安全と環境保全を意識し、特殊な商品や新商品を他社に先駆けてお客さまにご提案すること。都市型工事に対応するミニ掘削機、重量物を持ち上げる揚重機、ボルト締結作業向けのねじ締め工具、6tクラスの産業車両、アスベスト除去向けの有害物質対策機器などが、時代のニーズに応えています。“高度なサービス”とは、静岡管理センターを中心とした国内10カ所におよぶ点検サービス網です。静岡管理センターでは、レンタル機材を清掃・梱包するためのクリーンルームや有害物除去清掃システム、50tの負荷をかけられる揚重機試験機など、業界トップクラスの点検設備を保有。さらに全国の営業所・出張所を結ぶことで、在庫や物流を一元管理し、高いサービス力を実現しています」と田島様。

画像: 全国に10拠点ある管理センターの中核をなす静岡管理センター

全国に10拠点ある管理センターの中核をなす静岡管理センター

 建設現場で使用される機械の7割はレンタルだといわれ、業界の競争が一層激しくなっている中、同社の優位性はどこにあったのでしょうか。

 「どこの会社でも持っている機械では収益が出ません。かといって特殊な機械器具を取り扱うには、狭いエリアでは需要が見込めないリスクもあります。そこで当社は“ニッチの分野をネットワークで全国ワイドに広げよう”と、拠点づくりを進めてきました。それが当社のアドバンテージとなったのです」と、田島社長はこれまでの戦略を語ってくださいました。

画像: 株式会社レント 代表取締役社長 田島潤一 様

株式会社レント
代表取締役社長 田島潤一 様

戦略的な事業の展開を支える、「人」の育成と営業戦略

 新鮮な提案力と高度なサービス力を強みとする同社にとって、最も大切なのが「人」づくりです。

 「当社の営業は、まず豊富な商品について学ぶ必要があります。機械器具の知識だけではなく、なぜこの機械が工事現場や生産現場で必要なのかを、技術的な面、あるいは経営的な背景から理解しなければ強くアピールすることはできません。したがってロールプレイングを重視した教育を実施した上、広域を担当できる営業スタッフと若手が一緒にお客さま先を回りながら現場教育を行い、経験値を高める機会をつくっているのです」と田島様は社員育成法を語ります。一人の担当者が産業・建設・土木分野のすべてに通ずることは難しいので、特化した提案を行うことを目的に、特別部門も順次、設置してきたそうです。また、「本当に大切なのは、人。だからこそ人を守り、育てる」。田島様のそんな思いは、完全週休2日制を業界で他社に先駆けて採用したことにも表れています。

画像: 株式会社レント 常務取締役 営業本部本部長 鷲巣寿昭 様

株式会社レント
常務取締役 営業本部本部長 鷲巣寿昭 様

 常務取締役 営業本部本部長の鷲巣寿昭様も、営業力に対する自信のほどを語られました。「お客さまの満足度が高いと、2回目からは指名でお客さまの方から声をかけていただけます。そして、次の機会も……ということで信頼関係が構築できてきました」。さらに、「最初はベーシックな機械をご紹介しますが、やがてノウハウが必要な高度な機械をご提案します。信頼していただけるまでに3年ほどかかりますが、安心してご採用いただけることが多いですね。私たちが勉強して、こういう使い方があります、こちらの製品が便利です、とご提案をすることが、さらなるご信頼につながるのではないかと思います」と鷲巣様。

 今、同社は産業分野向けに空気圧縮機を戦略的商品として位置付け、力を入れていこうとされています。空気圧縮機はエアーを動力源とするため、業種を問わず汎用性が高いので使いやすく、運搬しやすい点も魅力です。すでに空気圧縮機を取り扱うために「工場プラント営業課」を設け、勉強会を開催し工場体験も実践。設置方法や整備の方法についても研鑽を積んでいます。そんな同社の戦略的商品として、今春20台ご採用いただいたのが日立産機システム製のアモルファスモータ 一体型オイルフリースクロール圧縮機です。

画像: 静岡管理センターの倉庫にはレンタルを待つ建設機械や産業用機械などが並ぶ

静岡管理センターの倉庫にはレンタルを待つ建設機械や産業用機械などが並ぶ

画像: レンタルから戻ってきた機械のメンテナンス作業

レンタルから戻ってきた機械のメンテナンス作業

画像: 空気圧縮機も内部まで細かくメンテナンス

空気圧縮機も内部まで細かくメンテナンス

画像: フォークリフトのニーズは高い

フォークリフトのニーズは高い

画像: 教習センターでは機械の運転技術も教える

教習センターでは機械の運転技術も教える

社会的な課題に応える幅広い事業で、さらに提案力の鮮度を高める

 「2002年頃、空気圧縮機事業を拡大しようとした時、県内に日立製品を導入しているお客さまが多いことが分かりました。加えて、ブランド力が高く、カスタマイズされた圧縮機の導入などに関するアドバイスをいただけるというメリットも感じて、お取り引きが始まりました」と振り返るのは広域機電営業部 部長の手束光宏様。「営業活動の中で、“省エネ、省スペース化、可搬性の高さ”を求めるお客さまのニーズの高まりを感じたことが今回の採用に結びつきました。環境負荷の低減や作業効率の向上、高い安全性を追求したモノづくりの姿勢には共感しています。採用にあたっては頻繁な移動に備えて、キャスターを大きくし、材質を鉄に替え、本体の突起部分の破損を防ぐためにカバーを付けるなどのカスタマイズを施したので、お客さまにご提案しやすくなりました」との評価をいただきました。

 鷲巣様からは、「レンタルだけではなく、購入前に試用したいとのニーズもあり、幅広いお客さまのご要望に応えられるものと満足しています。今後は緊急対応や設置スペースのないお客さま向けに、外置きできるオイルフリー空気圧縮機をぜひ開発していただきたいです」とご要望をいただきました。

画像: 株式会社レント 広域機電営業部 部長 手束光宏 様(左) 静岡管理センター 整備 酒井克暢 様(右)

株式会社レント
広域機電営業部 部長 手束光宏 様(左)
静岡管理センター 整備 酒井克暢 様(右)

 「エネルギー効率の良いオイルフリーの空気圧縮機を扱っている同業他社は少ないので、今後はメディアを活用したPR活動やブランド展開も必要です。また2020年以降を見据えた挑戦も大切です。既設インフラや建物の老朽化に対応したメンテナンス工事向けの新しい商品の拡大や防災・減災事業向けの商品開拓に取り組みながら、工場のエネルギーシステム関連のレンタル機材も広げていきたいと思います。またパイロット事業として始めた建設や農林作業などに役立つアシストスーツのレンタル、作業中の危険を遠隔で察知できるIT技術などの開発を進めながら、新鮮な提案力をさらに高めたいと考えています」と今後の展望をご紹介される田島様。自然災害が多発する中、静岡県や静岡県警察本部、その他自治体や民間団体などと、小型発電機・掘削機・照明・冷暖房・トイレなどを災害時に供給する災害協定を結んだことも同社の企業姿勢を表しています。

 さらなる躍進を続ける同社の事業の発展に向けて、日立産機システムは特約店の静岡日立様とともに、今後とも魅力的な製品とシステムをご提案させていただきます。

画像: 頻繁な搬出入や移動を考慮して付けられた堅牢な台車(左) 空気圧縮機に付けられた保護カバー(右)

頻繁な搬出入や移動を考慮して付けられた堅牢な台車(左)
空気圧縮機に付けられた保護カバー(右)

画像: 従来機もレンタル機として活躍している 日立パッケージオイルフリーベビコン 11kWタイプ

従来機もレンタル機として活躍している
日立パッケージオイルフリーベビコン 11kWタイプ

画像: 日立オイルフリーベビコン 3.7kWタイプ

日立オイルフリーベビコン 3.7kWタイプ

お客さまのベストパートナーをめざして —日立産機システム 製品関係者—

レンタル使用に特化した製品開発で、お客さまのご要望にお応えしました

 空気圧縮機のレンタル事業に力を入れていらっしゃるレント様から、昨年、アモルファスモータ 一体型オイルフリースクロール圧縮機に関するお引き合いをいただきました。レント様のご要望は小型で高性能、お客さま先で搬出入しやすく、扱いやすいこと。そこで専用機の開発に取り組みました。まず、運搬時のリスクを減らすために突起部に堅牢なカバーを取り付けるとともに、オプション品である台座下のキャスターの材質を固くし、凹凸も簡単に乗り越えられるようにと大きな径にしました。今、レント様は商材の一層の拡充に取り組んでいらっしゃいます。今後とも静岡日立さんとともに、さらなる発展に貢献できる製品をご提案してまいります。

画像2: 【お客さま導入事例 vol.145】
株式会社レント

産業用、建設用の幅広い機械器具や車両、特殊なマシンの品揃えに加え、サービス力、提案力を生かして成長する総合レンタル企業。

株式会社 日立産機システム
中部支社 第一営業部
空圧・風水力システムグループ
主任 本杉貴広(左)
空圧システム事業統括本部
空圧システム事業部 相模事業所
ベビコン設計部 回転機システム設計グループ
加藤史紀(右)

お客さまの事業に欠かせないサービスと、新たなソリューションをご提供していきます

 2002年頃、インバータ搭載型スクリュー圧縮機をご採用いただいたのを機に、レント様とのお付き合いが始まりました。その後、屋内機を屋外で使える仕様に、とのご要望があり商品化。日立のラインアップに新機種が加わるきっかけとなりました。以来、ベビコンをはじめ多彩な機種をお使いいただいています。全国的に事業を展開されているレント様にとっての当社の強みは、日立産機システムさんのネットワークをお借りして、遠隔地の事業もサポートさせていただけることです。今後ともフットワークの良さを生かして、レント様がお客さまにご提供するサービスとソリューションの面でもお手伝いし、ご期待にお応えしてまいります。

画像3: 【お客さま導入事例 vol.145】
株式会社レント

産業用、建設用の幅広い機械器具や車両、特殊なマシンの品揃えに加え、サービス力、提案力を生かして成長する総合レンタル企業。

株式会社 静岡日立
設備機器営業本部
機器営業部 課長 渡辺一矢

ご採用いただいた製品

空気圧縮機
アモルファスモータ 一体型 オイルフリースクロール圧縮機

はるかに小さく。はるかに自由に。
アモルファスモータを圧縮機本体と一体化することで、製品容積を従来比最大37%まで小型化し、省スペースを実現。また、設置場所の電源容量に合わせて出力切り換えができるパワーリミッタ機能※1の搭載で、より柔軟な使用が可能です。さらに、IE5※2クラスのアモルファスモータの搭載で省エネ性能も高めました。
※1 3.7kW機を除く(吐出し空気量はカタログ値より減少します)
※2 国際電気標準会議(IEC)のIEC60034-30-2で現在策定議論中のモータのエネルギー効率ガイドラインで最も高いレベルのもの

主な特長
1. はるかに小さく  工場のスペースを有効活用し、生産性を向上
2. はるかに自由に  現場の電源容量に合わせた出力切換
3. IE5クラスの実現  アモルファスモータで達成する最高基準

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産業用、建設用の幅広い機械器具や車両、特殊なマシンの品揃えに加え、サービス力、提案力を生かして成長する総合レンタル企業。

製品の詳細や導入に関するご相談はこちらから

( vol.104・2019年5月掲載 )

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