食卓にのる醤油やドレッシング、出汁やタレ、麺つゆなどの液体調味料は、私たちの食生活になくてはならないものです。正田フーズ株式会社は、老舗醤油メーカーの生産子会社として誕生し、小袋やボトル、缶などに充填した1,000種類以上の液体調味料を製造・販売。市場の細かなニーズに応えるために、人の力を生かしながら少量多品種生産により、小袋調味料の部門では業界屈指の実力を誇っています。躍進を続けている同社の歩みと、本社工場の取り組み、さらに同社でお使いいただいている日立産機システムの製品をご紹介します。
画像1: 【お客さま導入事例 vol.158】
正田フーズ株式会社

味と品質にこだわり、家庭や大手スーパー、
食品メーカーなどに向け、
1,000種類以上もの液体調味料をお届けする。

正田フーズ株式会社

代表取締役会長:正田 隆
代表取締役社長:渡邉 秀明
設立:1980(昭和55)年
所在地:本社・本社工場 栃木県佐野市町谷町2945番地
従業員数:330名
事業内容:液体調味料の製造・販売
https://www.shoda.co.jp
(正田醤油株式会社)

老舗醤油メーカーの傘下で、小袋充填の液体調味料で存在感を放つ

 今回お伺いした正田フーズ株式会社は、醤油、出汁やタレ、麺つゆ、サラダのドレッシング、インスタントラーメンの袋入りスープなど、私たちの食生活に欠かせない液体調味料の専門メーカーです。その原点は、1873(明治6)年創業の老舗醤油メーカーである正田醤油株式会社が、高い発酵・醸造技術を生かして業務用醤油の生産に進出した1950年代半ばにさかのぼります。正田醤油株式会社は、当時、他に先駆けてタンクローリーでの配送納品を開始。そして、業務用事業の延長線上で着手したのが液体調味料の製造です。その調合から充填までを担う生産子会社として、1980年に設立されたのがヤマト産業株式会社です。同社は、2010年に正田フーズ株式会社へと社名を変更すると同時に、工場を拡大移転。グループ企業の正田食品株式会社を吸収合併し、館林工場と水戸工場を統合。本社工場、館林工場、3rd工場、外食事業部を擁する態勢を整えました。

 同社 代表取締役社長の渡邉秀明様は、「1980年代の半ば頃、大手コンビニエンスストア様への液体スープの供給開始や、大手納豆メーカー様とタレの共同開発に取り組んだことなどが成長につながりました。その後、小袋充填調味料の市場が順調に伸びたため、生産能力の増強を図りつつ、正田食品株式会社の水戸工場の生産品目を集約したのが現在の本社工場になります。現在は当社の売上高約84億円のうち、70%以上を占める主力工場となっています」とこれまでの発展の経緯を振り返ります。

画像: 正田フーズの主力商品

正田フーズの主力商品

 現在、生産品目は常時1,000種類以上にも及び、正田醤油ブランドの製品のほか、大手スーパーや食品メーカーなどにOEM製品を供給しています。

 「それぞれ得意分野を持つ会社が力を合わせたことで、無理なく多品種生産に対応できるようになりました。缶・ボトル・小袋など、お客さまのご要望に合わせて、どんな形態の容器や袋にも詰められる生産技術を有していることが当社の強みです。特に年間約200万袋を出荷する小袋調味料では、業界のトップクラスだと自負しています。コロナ禍でもほぼ業績が落ち込むことなく、生産品目のポートフォリオも幅広くなったと手応えも感じています」と自信のほどを述べられました。

画像: 正田フーズ株式会社 代表取締役社長 渡邉秀明 様(左) 本社工場 工場長 芳賀誠 様(右)

正田フーズ株式会社 代表取締役社長 渡邉秀明 様(左) 本社工場 工場長 芳賀誠 様(右)

多様な容器への充填ラインを構築。味と品質、短納期でお客さまの要望に応える

 眺望に恵まれた約30,000㎡の敷地に清潔な建屋が並ぶ本社工場は、1年を通じてほぼフル稼働。毎日約50tの液体調味料を生産しています。調整タンクは80基あり、容器形態別に、缶・BIB(液体輸送用容器)充填ラインが3本、びん・ボトル充填ラインが4本、製袋ラインが3本、小袋充填ラインが52本も整備された様は圧巻です。1工場で、ここまで多様な充填設備を備えているところはあまり例がないといいます。

 同社・本社工場で工場長を務める芳賀 誠様は、「毎日同じものだけをつくる生産ラインなら、機械化も省力化も容易にできますが、当社ではあえて人の手で行う作業を多くして、生産品目を頻繁に入れ替え、お客さまのご要望にタイムリーにお応えできるラインを構築してきたことが強みだと思います。味はもちろんのこと、品質と納期でもご評価をいただけるよう努力してきた結果、多くのお客さまからご注文をいただけるようになりました」と、お取引先から信頼を得ることができた理由について語ります。渡邉様も、「本社工場には、お客さまがほぼ毎日のように視察に来られますが、当社のありのままの姿をご覧いただいて、安心してお取り引きいただけるよう努めています。その取り組みの一つが、全従業員がいつも気持ちの良い挨拶をすること。一人ひとりの仕事にかける姿勢を感じ取っていただいています」と日々の取り組みをご紹介されました。

画像: さまざまな種類の液体調味料を小袋に充填

さまざまな種類の液体調味料を小袋に充填

 「食品工場なので、フードディフェンスには最大限の力を注いでいます。2015年には食品安全マネジメントシステムの取り組みをさらに強化するために、工場の主要ポイントに『安心カメラシステム』を導入。従来の作業記録に加えて動画を保存することで機械の動きも人の動きもモニタリングできるようになり、トレーサビリティを高めることができました」と芳賀様。現場の方でも気が付かないような小さな変化も、動画によって後で確認できるので、トラブルの真因追求に役立っているそうです。

 同社では、品質管理のために、さまざまな製品の製造年月日の印字にプリンタを使っていますが、主力製品を送り出す小袋充填ラインでは、2018年から日立製の産業用インクジェットプリンタを順次導入していただき、現在では、最新機種を含めて15台が稼働しています。

画像1: 小袋充填ライン

小袋充填ライン

画像2: 小袋充填ライン

小袋充填ライン

画像: 麺つゆを充填し印字された製品が次々とつくり出されます

麺つゆを充填し印字された製品が次々とつくり出されます

品質と生産性の向上にこだわりつつ、さらに働きやすい職場づくりをめざす

 本社工場で工務課課長を務める飯野光司様は、当社製インクジェットプリンタをご採用いただいた背景を次のように述べられます。「採用した一番の理由は印字品質です。印字されたシートを巻き取る時の熱や摩擦、油やアルコールに耐えられるインクをずっと探していました。また多品種生産に合わせて印字の設定を変更する場合に、操作が簡単で稼働も安定している機種を求めていました。インクに関しては、有機則非該当のもので人と環境に優しいインクであることを重視しました」。こうして最初の1台の導入以来、実際に使っていただく中で、操作がしやすいことを実感していただくとともに、印字品質についてもご期待に応えることができ、翌年から1台また1台と、継続してご採用いただくことができました。

 また同工場でお使いの最新機種2台は、IoT対応クラウド監視サービス「FitLive」に接続しています。飯野様からは、「これまではトラブルが発生するたびに、現場で確認しながら点検や修理をしていましたが、今では手元のPCやタブレット、スマートフォンなどを使ってどこからでもリアルタイムで稼働状態を確認できます。また当工場では時間帯によって担当者が代わりますが、誰でも使える監視システムなので、管理やメンテナンスにかかる負担が減り、導入のメリットを感じています」とご評価をいただきました。工務課のご担当者様からは、「メールによる警報が自動送信されますが、その時にトラブルシューティングまで表示されるとさらに便利ですね」と貴重なご要望をいただきました。

画像: 正田フーズ株式会社 本社工場 工務課 課長 飯野光司 様

正田フーズ株式会社
本社工場 工務課 課長 飯野光司 様

 同社は、今後、どのような方向をめざされているのでしょうか。渡邉様は、「幸いなことに当社の業績は好調を維持しているので、今後は工場の拡大やラインの新設を考えなくてはなりません。液体調味料の業界でも価格競争は今後も激しくなっていくので、生産性向上に寄与する設備が必要です。もちろん品質への要求には全力でお応えしていきます」と決意を披瀝してくださいました。芳賀様も、「どんな優れた設備を使っても、最後は“人”の力です。すべての従業員が元気で明るく働ける会社にしたいですし、皆が同じ方向を向いて一丸となって進んでいけるような職場環境をつくりたいと思っています」と抱負を述べられました。

 食に味わいと風味を加える同社の液体調味料。本社工場の品質と生産性の向上、そして食の安全性に貢献するために、日立産機システムはこれからも新たな製品とサービスをご提案していきます。

画像: 各ラインでは日立製インクジェットプリンタが稼働

各ラインでは日立製インクジェットプリンタが稼働

画像: 高速で動くシートに正確に印字

高速で動くシートに正確に印字

画像: 液体調味料に印字された文字

液体調味料に印字された文字

画像: 日立製空気圧縮機

日立製空気圧縮機

画像: 日立製エアシャワー

日立製エアシャワー

画像: FitLiveで遠隔監視・遠隔制御が可能

FitLiveで遠隔監視・遠隔制御が可能

画像: 日立製クリーンベンチ

日立製クリーンベンチ

お客さまのために力を合わせて —日立産機システム 製品関係者—

液体小袋充填システムに適したインクの特性をご評価いただき、採用されました

 正田フーズ様には、2018年に当社製の産業用インクジェットプリンタを納入させていただいた時から、ずっとお付き合いをいただいています。本社工場様では、液体調味料の小袋充填ラインでプリンタを使われていましたが、インクの乾きが悪く、印字が消えることがあったことから、この問題をクリアした当社のインクをご評価いただき、ご採用いただきました。取扱説明書が不要なほど使いやすいこともご好評で、毎年継続的に導入していただいています。またFitLiveサービスのご利用も始まりましたが、ネットワークを通じたつながりだけに頼るのではなく、人としてのつながりをさらに深め、お客さまのご期待にお応えしていきます。

画像2: 【お客さま導入事例 vol.158】
正田フーズ株式会社

味と品質にこだわり、家庭や大手スーパー、
食品メーカーなどに向け、
1,000種類以上もの液体調味料をお届けする。

株式会社 日立産機システム
営業統括本部
設備第一営業統括部
第一営業部 関東第一グループ
主任 遠藤晃希

お客さまの成功に貢献するために、FitLiveサービスをさらに進化させていきます

 正田フーズ様でお使いのインクジェットプリンタのうち2台は、FitLiveサービスに接続されています。稼働データ、インクの品番や粘性、インクの寿命、故障アラームの履歴、周囲温度などの情報が遠隔で監視できるので、メンテナンスの見える化が可能です。私は、本社に置かれたカスタマーサクセスセンタに居ながらにして、インクジェットプリンタの使われ方を分析。タイムリーな情報提供や適切なメンテナンスのご提案をさせていただいています。これからもFitLiveサービスのメリットをより広くお伝えすることで、お客さまにその価値を認めていただくとともに、同サービスの進化に取り組んでいきます。

画像3: 【お客さま導入事例 vol.158】
正田フーズ株式会社

味と品質にこだわり、家庭や大手スーパー、
食品メーカーなどに向け、
1,000種類以上もの液体調味料をお届けする。

株式会社 日立産機システム
カスタマーサクセス・サービス事業本部
カスタマーサクセス統括部
カスタマーサクセスセンタ LCM・部品拡販グループ
主任 本間友祐

ご採用いただいた製品

マーキングシステム
日立産業用IJプリンタ Gravis UX2 series

印字ヘッド自動洗浄機能搭載でよりクリーン&より使いやすく!
印字ヘッド先端は稼働中に汚れやすい部分です。セーフクリーンステーション内では印字ヘッド内部はもちろん印字ヘッド先端部分も自動洗浄することが可能となりました。さらに、操作画面のボタンを押すだけで定期的にインク噴出・循環運転を行い、インク詰まりを防ぎます。

主な特長
1. セーフクリーンステーションだからできる新機能
2. 新構造“インクガード”による生産性向上
3. 直感的に操作可能な画面構成と動画によるサポート

画像4: 【お客さま導入事例 vol.158】
正田フーズ株式会社

味と品質にこだわり、家庭や大手スーパー、
食品メーカーなどに向け、
1,000種類以上もの液体調味料をお届けする。

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( vol.124・2022年9月掲載 )

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