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サービステクニカルセンタ
所在地 : 〒660-0806 兵庫県尼崎市金楽寺町1-2-1(関西支社内)
上:チームワークで仕事を進める人財開発・安全センタのメンバー。
真のプロフェッショナル育成をめざすサービステクニカルセンタ
全国で活躍する若手サービスエンジニアを、「お客さまから安心・信頼を集める真のプロフェッショナル」として育てることを経営上の最重要課題の1つと考え、2020年度に当社の関西支社内にサービステクニカルセンタを設立しました。2021年4月から、入社1年目の21人、2年目の26人、3年目の20人が「7ヵ年人財育成プログラム(以下 育成プログラム)」に参加。2022年4月からは4年目の13人と5年目の14人も加わりました。
サービステクニカルセンタ長の西村は、「これまでサービスエンジニアについては、製品ごとの技術教育と合わせて、OJTを中心に全国のサービスステーションで職場ごとに育成に取り組んできました。OJTにより、入社して日が浅くても先輩・上司とともにお客さまの工場で設備・機器のトラブルに対処したり、今後のメンテナンスのご提案をしたりする中で、現場に強いエンジニアとして育てることができます。一方OJTだけに頼っていると、同期入社のサービスエンジニアであっても、地域や職場、上司によって受ける教育内容や進度に違いが生じるという課題もありました」と、サービスエンジニア育成における強みと課題を振り返りました。「私自身、サービス部門のリーダーや管理職としての長い経験の中で、人財育成・能力開発のあるべき姿や変化する生産現場のニーズに対応できる技術や知識とは何かと模索する中で、若手サービスエンジニアの育成を、OFF-JTとOJTの両面から全社的に再構築する必要性を痛感していました。そこで、サービス技術伝承部会を立ち上げ、入社年別に7年かけて技術伝承と技術力の強化を図ることを目的としたサービステクニカルセンタの設立を提案しました」と語ります。
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西村眞一 (1981年入社)
カスタマーサクセス・サービス事業本部
人財開発・安全センタ長
サービステクニカルセンタ長
大阪サービスステーション所長、企画統括部 販売推進部 部長、企画統括部 サービス企画部 部長などを経て2021年より現職
技術伝承と技術力強化、社会人教育を体系化した「7ヵ年人財育成プログラム」
サービステクニカルセンタでは、育成プログラムに基づいて、教育・研修を展開しています。そのコンセプトは、これまで各職場、各上司に任されていたOJT教育と、全社的な階層別教育のコンテンツを再構築。これからのメーカーエンジニアとして身に付けるべき技術や知識、社会人としての基礎などの習得を、7年間で計画的、体系的に完結させることです。全国から育成プログラムに参加した若手サービスエンジニアは、1年目、2年目、3年目といった、年単位の育成プログラムを修了するごとに着実にステップアップ。実際の仕事で自身の成長を実感しつつ次年度に進むことで、お客さまに安心・信頼していただけるレベルのスキルを段階的に身に付けていくことができます。

1924年につくられた日立創業製品と同モデルの30馬力(22kW)誘導モータを使って、モータの果たす役割や構造、性能などを知り、「モータの日立」と呼ばれるモノづくりの歴史を学ぶ。

身近な自転車の分解・組み立てを通じて基礎技術の重要性を体得する。

分解した部品をきれいに整頓して配置する。
育成プログラムの概要は、最重要の基本的な技術教育については3年修了時までに完成。社内の技術認定評価(スキルマップ)で基本技術を習得できていれば合格とします。サービスエンジニアにとって必須の安全教育は、7年間を通じて徹底的に指導し、身に付けてもらいます。「(基)道場(まるきどうじょう)」と名付けた1年目のメインとなる講座では、技術の基本、作業の品質、製品の性能に関わる重要なスキルと、当社製品を幅広く学びます。基礎技術を身に付けた4年目以降は電気・機械工学の概論を学び、事故事例を理論的に深く理解することを通じて事故を未然に防ぐ知識と技術を習得。5年目以降は専門教育として、チームの責任者に求められる安全管理や作業指示の手法を学び、6年目にはさらに高度な工事スキルやサービス技術を身に付け、7年目では技術習得の仕上げに取り組みます。
体験して学んだことはキャリアを通じた自信につながる
「当センタの特徴的な講座をご紹介しましょう」と西村が案内してくれたのは、自転車を分解し、組み立てる基礎技術実習です。「自転車の分解・組み立てなんて大したことはない、と若いエンジニア達は思うようですが、組み上がった時に『この自転車で下り坂を全速力で走ってもらおうか。自信ある人は?』と訊ねると、誰も手を挙げません。そこでどうしたら自信を持って坂道を下ることができる自転車になるのか、ということから講座が始まります」と西村。「ここで学ぶことは作業品質のつくり込みです。例えばねじを締める時に、ある基準に従って締め付ければ合格という作業標準があり、その標準に則った作業であることが検査記録に残されていれば、作業品質の基準をクリアしたことになります。このプロセスを確実に踏むことで、自信を持って安全で品質が担保された自転車を組み立てることができるわけです」。
この講座では、使用する作業標準や検査記録のフォーマットを、サービス部門の保守業務で実際に使われているものを使うことで、高度な作業品質のつくり込みが、お客さまに安心してお渡しできる製品づくりにつながることを実体験を通して学んでいます。

自転車の分解組み立てを通じて、安全作業の基礎と工具の扱い方が作業品質に影響を与えることを学ぶ。

(基)道場(まるきどうじょう)では、ノギスやマイクロメータを使って正確に実測する技術を身に付ける。
イノベーションを生む人財育成のモデルケースとして、さらなる進化をめざす
専門知識と経験、理論の裏付けのある確かな技術力を持ったサービスエンジニアを育成することで、全国どこでもお客さまに同じレベルのサービスを受けていただく。それがサービステクニカルセンタの使命です。西村は、「もっともっと自分が学んだことを残らず伝えたい、という思いで人財育成に取り組んでいますが、若きサービスエンジニア達に一番伝えたいことは、お客さまとの人としてのつながりの中で、お客さまに喜んでいただけることを自分のやりがいとしてほしいということ。そして、うまくいかない時に落ち込むのではなく、解決した時をイメージして逆にワクワクしよう、ということです」と熱い思いを語ります。さらに、「当社のサービスエンジニアは産業界を支える黒子だと自認していましたが、これからはお客さまのさまざまな課題を解決し、脱炭素社会づくりの先頭に立つプロフェッショナル集団として存在価値を高めていく必要があると考えています。さらにサービスエンジニアの成長とIoTの力を合わせて、メンテナンスの最適化を実現し、エネルギーロスや資源ロスの低減にもつなげたいと思います」と抱負を語る西村。
サービステクニカルセンタでは、総合的・体系的な育成プログラムの整備とともに、「安全研修センタ」や「テクニカルスキル・デベロップメントセンタ(技能開発センタ)」の立ち上げも検討するなど高度な実践教育や体感教育の場も用意して、イノベーションを生む人財育成機関として全社をリードしていきたいと考えています。

[ 受講者メッセージ ]

野田天地(2021年入社)
関西支社
大阪サービス・エンジニアリング部
省力グループ
入社してすぐ、全国から集まった同期とともに育成プログラムに参加。充実した1年間でした。サービステクニカルセンタでしっかりと時間をかけて基礎から学ぶことで、自信も生まれてきました。育成プログラムはステップを着実に踏んで成長する自分の姿が描けるので、すごくありがたいと思っています。これからも講座の成果を自身の仕事に反映できるようにしっかりと取り組むとともに、社会人としての心得や、お客さまにどう向き合うかを学び、日立産機システムのサービスエンジニアとしての誇りと責任感を身に付けていきます。

泉 将太(2019年入社)
関西支社
大阪サービス・エンジニアリング部
施設グループ
専門的な知識や技術を、座学と実技研修により詳しく学べるので、当センタがもっと早く発足していたら良かったのに、と思いました。製品知識や技術力だけでなく、仕事に向き合う姿勢や専門的な仕事に役立つことをステップアップしながら学びつつ、自分の将来像につながる目標を立てることができるので、今後のキャリア形成に大きく影響していくと感じています。より質の高いサービスをお客さまに自信を持って提供できるよう、製品知識・技術力に加えて、現場での対応力や提案力を身に付けて大きく成長していきたいと思います。
( vol.122・2022年5月掲載 )