食品や飲料、薬品、さらには化粧品などの品質管理、トレーサビリティに欠かせない産業用インクジェットプリンタを中心とするマーキングシステム。日立産機システムは、産業用インクジェットプリンタの分野で、長年リーディングカンパニーとしてお客さまのモノづくりに貢献してきました。今回は、トップブランドとしての誇りと技術を受け継いだ、若きサービスエンジニアの活躍ぶりをご紹介します。
画像1: 【熱きサービスエンジニア・6】
千葉サービスステーション[産業用インクジェットプリンタ編]
画像2: 【熱きサービスエンジニア・6】
千葉サービスステーション[産業用インクジェットプリンタ編]

千葉サービスステーション
所在地 : 〒275-8520 千葉県習志野市茜浜3-1-2

上:多くのお客さまのご期待にお応えする省力グループ マーキングシステム係
下:サービス工場(左)千葉サービスステーション外観(右)

お客さまの製品出荷を左右するマーキングシステムを守る

 食品や飲料、薬品、化粧品業界などで活躍する産業用インクジェットプリンタ(以下 IJプリンタ)。食品の安全性や製品の品質を確保するための情報を高速かつ確実に印字しています。日立産機システム カスタマーサクセス・サービス事業本部 サービス事業部 千葉サービス部 省力グループ マーキングシステム係の石野雅也は、そんなIJプリンタを守るサービスエンジニアの1人。グループ内では成長著しい期待の若手です。2017年に入社して千葉サービス部に配属されて以来、IJプリンタとインクに関する技術と知識を学び、お客さまのどんなご要望にも応えられるサービスエンジニアをめざし、努力を重ねてきました。

 IJプリンタは、生産ラインの一番下流に設置され、出荷直前の包装工程に組み込まれていることが多いため、トラブルが発生すると生産工程すべてが停止してしまいます。そこでサービスエンジニアには、万一トラブルが発生したら、まずは生産ラインのダウンタイムを可能な限り短くするために、あらゆる局面に対応できる技術と経験が求められます。「まだまだキャリアが浅かった頃、トラブルが発生し、お客さまのもとに駆けつけたら、実際の配線とラインの設計図が異なっていて焦ったこともありました。そんな時も、冷静になって現状を把握し、技術を駆使して何とか対処したこともありました」と石野は振り返ります。また、緊急対応で修理と部品交換に赴いていた時、別のお客さまからも緊急応対の要請を受け、帰社することなく、そのままお客さまのもとへ駆けつけたこともあったといいます。また、サービスエンジニアが力を発揮するのはトラブル時だけではありません。「新しい製品を納入・設置し、実際の生産ラインを動かしてテスト印字する時は、学んだことを総動員して成功させました」と語ります。

 千葉サービス部の担当エリアは東京都、千葉県、茨城県南部。IJプリンタを使うお客さまは約360事業所、プリンタは何千台にも及びますが、石野達はお客さまの生産現場に足を運び、その使われ方を把握しています。IJプリンタが基準の使用頻度や保証期間を超えている場合には、予防保全として、部品交換はもちろんのこと、新たなメンテナンス契約をご提案することもサービスエンジニアの仕事です。「また、日頃大切にしていることは、すぐ駆けつけられない遠方のお客さまのために、トラブルが発生してもご自身で対応できるよう、IJプリンタのメカニズムとお手入れ方法を丁寧にご案内しています。特に、連休明けにIJプリンタを起動させると、インクの出るノズルが詰まってしまうこともあるため、ノズルを逆洗浄することやヘッドを外して清掃する方法を一緒に操作しながらご説明しています」と石野。「また、IJプリンタは設置後10年を超えるとトラブルの心配が増えますので、保守・メンテナンスとともに、工場全体の生産効率を損なわないためにも最新モデルの導入もご提案しています」とお客さまの将来を考えたサービスも展開しています。

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石野雅也 (2017年入社)
日立産機システム
カスタマーサクセス・サービス事業本部
サービス事業部
千葉サービス部
省力グループ マーキングシステム係

お客さまのお困りごとや生産現場の課題をキャッチできる感度と技術力

 2年前に、石野自身がメンテナンスの大切さを再認識する出来事がありました。入社当初から担当していた株式会社メリーチョコレートカムパニーの松戸工場様では、IJプリンタ6台を2015年に導入していただきましたが、経年のためか、その当時は修理のご依頼や問い合わせをいただくことが多くなっていたといいます。「そこで私から稼働データをもとに定期的なメンテナンスをご提案したところご採用いただき、予防保全を実施した結果、その後はトラブル発生がほぼゼロになりました。メンテナンスの重要性を実際にお客さまに体験していただいたことは、サービスエンジニアとしてうれしかったですし、貴重な成功体験になりました。これからもさまざまなご提案をご検討いただけるよう、技術と知識を高めたいと思います」と意欲を燃やします。そんなお客さまと石野の成功体験を支えているのが、当社のサービステクニカルセンタが実施する人財教育システムです。これは、全国で活躍する若手サービスエンジニアを対象に、7年間にわたり体系的・総合的な教育・研修を行うもの。属人的な知識と技術に頼るのではなく、全国どこのお客さまでも標準化された高度なサービスを受けていただけます。

画像: サービス工場内の「IJプリンタテクニカルルーム」でお客さまの設定に合わせてプログラムを入力。

サービス工場内の「IJプリンタテクニカルルーム」でお客さまの設定に合わせてプログラムを入力。

 数多くある当社製品の中でも、IJプリンタには、日立ブランドとして積み重ねた47年もの歴史と実績、お客さまから寄せられた信頼があります。石野の上司にあたる同グループ グループリーダ主任技師の岡本隆博は、「IJプリンタはずっと進化を続けてきましたが、当社のサービスエンジニアは、常にその様子を見守ってきました。だからトラブルが発生しても、お客さまが一番望まれていることや、トラブルの原因究明と修理のポイントがすぐに把握できます。お客さまの生産現場も知っていますし、IJプリンタの機能、機構を熟知しているから、迅速で的確なサービスをご提供できるのです。培ってきた全国規模のサービス体制と技術、知識の蓄積は、他社の追随を許さないものだと自負しています」といいます。

 「そんなサービスエンジニアの中でも、石野はお客さまとのコミュニケーションを深める力があります。お客さまがうまく表現できないお困りごとも感じ取れるし、適切なソリューションをご提案できる能力もあります。加えて、当社のサービスエンジニアとしての誇りとノウハウを受け継いでいるので頼もしい限りです」と笑顔で語ります。

画像: 万全の体制でお客さまのもとへ駆けつけるために、移動車に積み込む工具なども日々点検。

万全の体制でお客さまのもとへ駆けつけるために、移動車に積み込む工具なども日々点検。

画像: お客さまの工場では迅速にトラブルを解決。

お客さまの工場では迅速にトラブルを解決。

画像: お客さまのお悩みには細かいことも丁寧にお聞きし、お客さまに合った最適なご提案を心掛けている。

お客さまのお悩みには細かいことも丁寧にお聞きし、お客さまに合った最適なご提案を心掛けている。

適切で迅速なサービスを心掛け100%の予防保全をめざす

 これまでメリーチョコレートカムパニー様をはじめ、多くのお客さまに支えられてきた石野が大切にしていることがあります。それは何よりもお客さまの話を徹底して聞くという姿勢です。「たまに悩むこともありますが、何を求められていて、何に応えなければいけないのかを、経験とデータに基づいて整理しながら、ご提案につなげています。近年は、有機溶剤中毒予防規則(有機則)に該当しないインクへの関心が高まっています。当社のインクはバリエーションが豊富なので、お客さまの製品特性を知った上で、ご期待に応えるご提案を心掛けています」。

 そんな石野が今後のサービスのあり方に大きく影響を与えると感じているのが、最新機種に標準搭載されているIoT対応クラウド監視サービス“FitLive”です。お客さまの機器からFitLiveカスタマーサクセスセンタに送られた稼働実績データを遠隔監視することで、不具合が発生する前の予兆や異常を察知し、お客さまとサービスエンジニアに伝えることができます。

 「お客さまがお困りになる前に、FitLiveカスタマーサクセスセンタから適切な指示がサービスエンジニアに届くので、いち早くサービスをご提供できます。トラブルが発生していなくても、稼働データを分析することで予防的な部品交換やメンテナンス、さらにはお客さまに使い方のアドバイスまでできるので、当社のサービス品質が間違いなく向上しているという手応えがありますね」と石野。「また、クラウドを使ったFitLiveサービスは使いこなすことが難しいというイメージをお持ちのお客さまもいらっしゃいますが、実機を使ったデモやプレゼンテーションで、優れたメリットをどんどんアピールしたいですね」と今後の抱負を語ります。

 岡本も、「産業用マーキング市場は今後も厳しさが増すと見込まれますが、当社は、魅力的な機能と豊富なインクのバリエーション、そして業界をリードするサービス体制で差別化を図っています。さらに関連法規に関する情報をいち早く捉え、お客さまにご提供することで貢献していきたいと考えています。千葉サービス部は、40年前からIJプリンタに携わってきた歴史あるサービスステーションです。サービスエンジニア一人ひとりが実力を高め、後進を育てていくことで全国の模範となるサービス拠点にしていきたいと考えています。もちろん石野にはさらなるリーダーシップを発揮してほしいですね」と期待を寄せます。

 製品の品質を守る大切な文字を印字するIJプリンタ。日立産機システムのサービスエンジニアは、これからも技術、知識、そして人間性を高めながら、お客さまが求めるサービスをご提供してまいります。

画像: マーキングシステム係の先輩である岡本隆博には、ご提案やトラブル解決策など幅広く相談。チームとして対応している。

マーキングシステム係の先輩である岡本隆博には、ご提案やトラブル解決策など幅広く相談。チームとして対応している。

[ 日立産機システム ]
お客さまと日立産機システムをつなぐ新しい取り組み VOL.5

IoTクラウド監視サービス“FitLive”搭載
日立産業用IJプリンタ UX2series

画像4: 【熱きサービスエンジニア・6】
千葉サービスステーション[産業用インクジェットプリンタ編]

新型IJプリンタ「UX2」が、待望のIoT対応クラウド監視サービス“FitLive”を搭載しました。FitLiveサービスは、リアルタイムで機器の稼働状況を把握できます。AIを活用した状態監視により、お客さまの設備環境の問題を早期発見、メールで警報を自動送信。機器のトラブルを未然に防ぐことで、ラインのダウンタイム短縮を図ります。

画像5: 【熱きサービスエンジニア・6】
千葉サービスステーション[産業用インクジェットプリンタ編]

サービスエンジニアが活躍するお客さまを訪ねて

幅広い世代に愛される定番チョコレート商品を、
安全・安心の生産管理体制で届ける
株式会社 メリーチョコレートカムパニー 松戸工場様

画像: 梱包ラインに設置された日立産業用IJプリンタ

梱包ラインに設置された日立産業用IJプリンタ

画像: 左:株式会社 メリーチョコレートカムパニー 生産本部 施設管理部 松戸施設課 課長 泉田健晴 様 右:クリーンで効率的な梱包ライン

左:株式会社 メリーチョコレートカムパニー 生産本部 施設管理部 松戸施設課 課長 泉田健晴 様
右:クリーンで効率的な梱包ライン

百貨店でもおなじみのチョコレートのこだわり

 1950年の創業以来、配合にこだわったチョコレートをつくり続けてきた株式会社メリーチョコレートカムパニー様。日本にバレンタインデーを広めた立役者でもあり、2008年に株式会社ロッテホールディングスのグループ会社となって以降も、変わることなく幅広い年代に親しまれている人気洋菓子メーカーです。同社の大森工場、船橋工場に続いて2015年に竣工した松戸工場様では、主力の定番商品である16種類のチョコレートを詰め合わせた「ファンシーチョコレート」を生産しています。製造工程は、原料となる液体チョコレートの味などを調整した後、チョコレート型モールドに流し込み、冷やし、固めた後に検査・箱詰め・包装を経て、出荷されます。
 同工場の生産設備の管理を担う、同社生産本部 施設管理部 松戸施設課 課長の泉田健晴様は、「安全・安心な工場からおいしいチョコレートをお届けするために、ハードとソフト両面にわたって、食品衛生管理を徹底しています。一方、生産現場ではラインの稼働率を高めるために予防保全に心掛けています」と基本姿勢を語られました。

食の安全に欠かせないパッケージ印字をより正確に

 おいしさとともに安全性を守る同工場では、トレーサビリティを担保するために、パッケージの印字ラインで日立産機システムのIJプリンタ6台が活躍しています。さまざまな商品の箱詰包装も行っている同工場では、IJプリンタは常にフル稼働です。「日立産機さんのIJプリンタは工場が竣工した頃から使っていますので使い慣れています。石野さんにメンテナンスをお願いしてからは、さらに安定して稼働しています。時には急なお願いをすることもありますが、迅速かつ適切に対応していただいているので助かっています。これからもIJプリンタのオーバーホールやカートリッジ式インクへの変更など、積極的にご提案していただきたいですね」と泉田様。同工場では、今後、商品ラインアップのリニューアルに向け、生産工程のさらなる自動化と生産効率の向上をご検討されています。これまでの成型ラインではできない新型チョコレートの生産にも挑戦されるといいます。日立産器システムでは、これからも多くの人に愛されるチョコレートづくりに貢献するサービスをご提供してまいります。

画像: ペーパーボックスに正確に印字

ペーパーボックスに正確に印字

画像: 左:人気のファンシーチョコレート 右:松戸工場外観

左:人気のファンシーチョコレート 右:松戸工場外観

株式会社 メリーチョコレートカムパニー
松戸工場:千葉県松戸市稔台6-6-1
事業内容:チョコレート・クッキー・ゼリー等の製造・販売
https://www.mary.co.jp/

( vol.125・2022年11月掲載 )

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