1910(明治43)年に、久原鉱業所日立鉱山の工作課長であり、後に日立製作所を創業した小平浪平の指揮のもとつくられた5馬力三相誘導電動機と、高尾直三郎による設計図面は、20世紀初期の国内産業技術の高さを示すとともに、純国産技術だけで製作され礎を築いたものとして価値をとどめている。
 「製造番号第1号」の銘板を持つこのモータが製造された工作課修理工場は、後に「創業小屋」と呼ばれ、小平浪平逝去後5年を経た1956(昭和31)年に日立の創業精神を後世に伝えようと日立事業所内に復元され、2021(令和3)年には日立オリジンパーク(茨城県日立市)のオープンとともに再復元された。同モータは、オリジンパーク内の「小平記念館」に展示され、2023(令和5)年には「五馬力誘導電動機 一台 久原鉱業所製 附 設計図面 五枚」として国の重要文化財に指定されている。なお、「創業小屋」には創業期を偲ばせる枝型ボール盤と5馬力誘導電動機(日立製作所の社章付きで1911(明治44)年製、製造番号第190号)が保存され、動態展示されている。
(日本機械学会 機械遺産 第31号)

所蔵:株式会社日立製作所 日立オリジンパーク 小平記念館

引用:日本機械学会「機械遺産」 機械遺産第31号 https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/heritage_031_jp.html
協力・参考:日立オリジンパーク https://origin.hitachi.co.jp

( vol.134・2024年5月掲載 )

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